【五反田】元祖広島汁なし担担麺 きさく/西五反田すぐ、狭い店。でもこのエリア内で私が一番好きなラーメン。

元祖広島汁なし担々麺 きさく 五反田店 ⇒ 地図はコチラ
>月~土
昼 11:00~15:00 / 夜 17:00~20:00
>日曜定休日

最初に言っておきます。

このお店には2月、お客さんの少ない時間帯に足を運びました。そして食した後、色々と困惑させられました。目黒・白金・五反田エリアがラーメン戦国時代へ突入していることは過去記事でも申し上げておりましたが、乱立される新店の味を経験しないと「下手なことは言えない」と思ったのです。

現在はもう4月半ば。此処まで記事を書くのが遅くなりましたのは、様々な近隣の味を今一度確認し、この店の評価を決めたいと思ったからです。おそらく食べログ等で目に入る限りエリア内の全ラーメン店を食べ歩いてきました。結論から言いますと、私はこのお店のラーメンが個人的なNo.1です。この言葉を前置きに、言いたいこと全部言わせていただきます。

雑多な西五反田の中でも、特に素通りしてしまいそうなくらい狭い場所で店を構えており、だからこそな一生懸命の看板や猛アピールが目立ちます。しかし果たして「元祖広島」「汁なし担々麺」にどれだけの訴求力があるのでしょうか。担々麺自体がニッチなメニューであるにもかかわらず、日本中のグルメが集う東京都心で「広島」を掲げ勝負しようと思った算段や如何に?

基礎もできていないのに特殊フォントを使って広告をつくろうとする新人デザイナーを見るような目でお店に入った私は、お客さんのいない時間帯だったので狭い店内の一番奥席へ座り、「担々麺なら東京で一番美味しいところはあそこだったなあ」などと思いに更けながら、注文に悩みました。

私のセンスや興味に少しも引っかからないボクシングだか格闘技だかのポスターが店内に貼られており、それを背にするカウンター席のみの店内。一杯でも僅か6人ほどしか座れません。仕切りがあるとはいえ、コロナ禍にこの密な空間は大ハンデでしょう。でも長く生き残れる店なのかどうかを見極めたい。そこで私は今回、敢えて「中華そば」を食べてみることにしました。意外とこのエリア、シンプルなラーメンが無いので。

見た目、非常に食欲をそそります。

解凍が甘くて固かったり、流行の低温調理で仕上げたチャーシューが世を席巻する中、正統派のスープがこれだけ染みたチャーシューは久々に味わいました。シナチクもこれじゃなきゃ駄目ってくらいマッチングしていましたし、うずまきなるとも懐かしさを増幅させます。いつもは「どうしてラーメンに海苔が付いてくるの?」と思っていましたが、この中華そばと海苔の相性は抜群でした。

ちなみに、お腹が空いていたのでカルビご飯も頼んでみたのですが

中華そばだと腹6分くらいになりそうな印象。途中で思わず「美味しいですね、このラーメンならあと5杯は食べられます!」と言ったくらいですから。実際はカルビご飯を食べて腹9分くらい。バランスも味付けの濃さも、スープありきで考えらえれているのか「ちょうど良い」のです。

私なりに出した結論。今回はわざと強い断定表現を使いますね。お店の方向性を決めるのはもちろんオーナーさんなので、あまり本気には受け止め過ぎないでください。

このお店は「店名間違い」「雰囲気づくり(店構え)間違い」のハンデを自ら背負い、かなり大きく損していると思います。まだ食べていないので言い過ぎかもしれませんが、おそらく「元祖広島汁なし担々麺」を掲げるより、中華そばの味で勝負したほうが圧倒的に人気出る気が。だって幸いにも、周りに正統派の中華そば店が少ないのです。家系や二郎系や魚貝系やつけ麺が蔓延って、一番中心に在るべきオーソドックスなラーメンが無いのです。

味は上品さとポップの中間くらいですから、雰囲気を中華そばに寄せれば、立地的にラーメン店を出すのが困難と思われている白金~高輪あたりでも通用しそう。単価アップしてもきっと大丈夫。

インスタなどを見ていると、一部の客がグルメ人ぶって酷評していましたが、ラーメンは個人の好みにかなり左右されますし、特にお店の雰囲気で変な補正が掛かります。提供している味に「ガワ」を寄せれば、必ず人気店になるだけの品質。ラーメン店は別に、パンチが強そうである必要は無いのです。格闘技との縁で威嚇する必要もないのです。錯覚に屈してしまっていたなんちゃってグルメインスタグラマーも、これがそれなりの雰囲気の中で提供されていれば絶対的に「美味しい!」と評価を変えたはず。

純粋に味だけで評価して美味しいと思った私は、大応援するつもりで今後も通い詰めます。今、このエリアで一番なくなってほしくない(そしてもう少し広い店構えでやって欲しい)ラーメン店です。今度は汁なし担々麺も食べてみます。

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